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講師メッセージ

通訳者養成コース

蜂屋美季子先生

「現場」を想定し通訳者の実体験に基づいた指導をします

「会議通訳Ⅱ」では、さまざまな業種の概念や用語に慣れ、同時通訳ができる分野の幅を広げることをめざして訓練をしていきます。スピーカーの話す速度が速い時の対応や、資料の準備の仕方、読み上げ原稿を前日または直前にもらった時の対応など、私自身の通訳者としての実体験に基づいた指導を行います。受講生にはプロになる一歩手前の方が多いので、通訳の仕事を始めた時のとまどいや混乱をなるべく少なくするために、「現場」を想定した訓練を重視しています。

授業では生スピーチ教材を使用しますが、当然ながら、実際に仕事をする時に教材と同じスピーチを通訳することはありません。教材はあくまできっかけであり、アカデミーで扱う教材を通して、文脈に沿って用語を使い分けられるようになっていただきたいと思います。例えば、investigationというごく普通の言葉を訳す時、法律事務所がクライアントの場合は、「捜査」と訳すか「調査」と訳すかでとても大きな違いが出てきます。このような要注意用語は、文脈で考えることが大切なのですね。

私はアカデミーに通学していた当時、厳しいプロの世界を垣間見ることで目標ができました。勉強する動機と方向性がよりはっきりしました。そこは今でも変わらないサイマル・アカデミーの特色の一つだと思います。サイマル・グループは、現在、多数の一線級のプロが稼働している通訳会社です。通訳者としての厳しい体験を含め、通訳とはどういう仕事なのかをアカデミーの授業を通して知っていただくことができると思いますので、通訳に興味がある方にぜひ来ていただきたいですね。

イカロス出版発行「通訳者・翻訳者になる本2022(2021年1月29日発売)掲載記事より転載。
文=岡崎 智子

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蜂屋美季子

通訳者養成コース講師

上智大学外国語学部4年生の時にサイマル通訳教室(現サイマル・アカデミー)に通い始め、卒業と同時にサイマル・インターナショナルの通訳研修生に。 その1年後、専属通訳者として活動をスタート。 育児中やドイツ駐在中を除き、現在に至るまで30年近く第一線で活躍。