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修了生メッセージ

サイマル・アカデミーに入学したきっかけを教えてください。

日本での留学経験も仕事経験もない自分が、フリーランスとして仕事をするにはどうしたらいいのか悩んでいた頃、旭川市の書店で塚本慶一先生の著書「中国語通訳者への道」を手にしました。

その一冊の本と出会ったおかげで、通訳者になるための勉強方法や、同時通訳の需要、通訳スクールや通訳エージェントの存在なども知ることができました。同時通訳を勉強してフリーランスの道を開こうと思い、関東に移住後、念願のサイマル・アカデミーに入学しました。

何さんはレギュラーコースの他、ワークショップも何度か受講されていましたが、ワークショップではどのようなスキルが身につきましたか?

ワークショップではなおざりにしていたリテンション、シャドーイングなど自主トレの重要性を改めて認識し、先生方の現場経験なども教わることができました。

また、通訳も翻訳も訳の表現は十人十色なので、レギュラーコースとは違うメンバーと共に受講することで、自分では使い慣れていない言い回しや知らない言葉などの新たな発見もありました。

サイマル・アカデミー修了後から現在まで、どのようなお仕事をされてきましたか?

2018年春に同時通訳科を修了し、サイマル・インターナショナルに登録後、他の通訳エージェントも数社登録しましたが、はじめはブースアテンドの仕事がポツポツと入ってくるくらいでした。焦り始めた頃、某放送局のニュース翻訳者に採用され、週に1~2回翻訳の仕事をしつつ、エージェントから通訳案件を単発で引き受けるようになりました。こうしているうちに、同じ志を持っている方や、サイマル・アカデミー出身の先輩方から仕事を紹介されたりして、2019年夏からは随行通訳や会議などの案件が増えてきました。

しかし、突然のコロナ禍で予定していた通訳案件が全て中止になり、新規案件も中々入ってこない状態が続きました。リモート通訳の打診が徐々に入ってきましたが、案件自体が成立しなかったり、急遽中止になったりすることもありました。

こうした中で、想いもよらぬ出来事がありました。サイマル・アカデミー主催の「通訳者・翻訳者への道」セミナーで、恩師である大森喜久恵先生講演の同時通訳と、遠隔同時通訳プラットフォーム「interprefy」によるリモート通訳という貴重な経験をすることができたのです。この経験が、今後の開花に繋がっていくと信じています。

通訳者として活躍されているいま、普段どのようなブラッシュアップを行なっていますか?

元々時事問題などにあまり関心を持っていませんでしたが、授業で言葉や社会の変化などを改めて実感し、いまでも普段からニュースを見たり聴いたりすることを心がけています。

また、訓練を通して母語の大切さにも気づかされたため、修了した後も中国語の記事などを読んだりして母語力を鍛えています。言葉選びや訳の表現などは、通訳者に求められる言語力の向上につながっています。

通訳者という仕事の魅力を教えてください。

まずは、これは全ての仕事に共通する事ですが、達成感です。私の場合は、異国間の意思疎通が進み、ハーモニーが生まれる瞬間が、一番達成感を感じます。特に逐次通訳では、両者がうなずき、理解しているような表情を見ていると、嬉しく感じ自信がつきます。

次に、多岐にわたる分野に触れられることです。一つの分野の専門家を巨樹に例えていうと、通訳者は言葉というツールで木の苗を一本一本植え、雑木林を作るようなイメージです。経験を積めば積むほどその雑木林が大きく広くなります。

それから、様々な人と接することです。普通に暮らしていれば出会うはずのない人々と接することができます。それぞれの相手とどのように接し、どのように意思疎通を図るのかもまた一つの醍醐味であり、社会勉強にもなります。

今後の目標を教えてください。

いつかサイマル・アカデミーの先生方と同じブースに入って通訳をしたいです。その日まで頑張り続けます。

何萍(カヘイ)さん

サイマル・インターナショナル登録通訳者

中国で日系企業の社内通訳を10年ほど経験。その後、2009年に家族とともに北海道旭川市へ、また2014年に関東へ移住。2015年秋、サイマル・アカデミーに入学し、2018年春に中国語通訳者養成コース同時通訳科を修了。現在はフリーランス通訳者として活動中。