修了生メッセージ
山西文子さん
サイマル・インターナショナル登録翻訳者
英語の読み方も訳し方も一変
チェッカーとしての自信がつきました
企業の翻訳部でチェッカー(校閲)を務める山西文子さん。翻訳を学ぼうと思った動機は、仕事に対する「自信のなさ」だった。
「英語をしっかり読めるようになりたくて、サイマルの『文法・構文から学ぶリーディング』※を受講したところ、1年間で英語を読むことがぐっと楽になったんです。これならと手応えを感じて、産業翻訳コースを受けることにしました」
同コース英日本科では、シンクタンクの債券レポートやIMFの経済レポートなど、経済・金融関係の文書を教材に翻訳の基礎を学んだ。「わからないことは、わかるまで調べて訳す」という講師の助言に従い、知識不足は徹底したリサーチでカバー。英語の語順の違いで後ろから訳していた翻訳スタイルは、講師の指導を受けてガラリと変えた。
「英文の書き手の”思考の順序”に沿って訳すことを心がけました。『1つの文章の中にもいくつかの"考えのまとまり"があるので、その関係性を読み取り、その通りの日本語にする』とも教わり、英語の読み解き方も変わったと思います」
顧客の要望を最優先 プロの流儀を学ぶ
同プロ科では「金融・経済・経営」クラスを選択。提出課題はA〜Eの5段階で評価され、講師から「B以上がトライアル合格レベル」と言われたため、つねに全力で課題をこなした。
通常の課題に加え、パワーポイントファイルを教材にした上書き翻訳や、訳語・表現の統一が必要なグループ翻訳にも挑戦。実践力を磨きながら、「文体を含め、クライアントの要望を最優先して翻訳する」というプロの流儀も頭に叩き込む。「きらびやかな表現はいらない。プレーンでシンプルな言葉を」とアドバイスされ、欠点の克服にも努めた。
「勉強は大変でしたが、一回で修了試験に合格することができ、とてもうれしかったです」
日本語と英語の言語的な違いについても学び、受講中は「目からウロコの連続でした」と山西さん。翻訳者になることを視野に入れつつ、日々、自信を持って翻訳チェッカーの仕事に取り組んでいる。
「翻訳者さんやお客様から『なぜ?』と問われたとき、論理的に説明できるようになりました。先生方の指導に妥協がないので、食らいついていけば確実に何かを得られる。それがサイマルの良さだと思いますね」
※現在は短期講座として開講
通訳・翻訳ジャーナル2017年秋号(イカロス出版)より転載
文=金田 修宏 写真=今野 光
山西文子さん
サイマル・インターナショナル登録翻訳者
日本女子大学大学院文学研究科英文学専攻。生命保険会社を経て、現在は語学サービス企業の翻訳部でチェッカーに従事。2015年4月期より翻訳者養成コース「産業翻訳・英日本科」を受講し、16年3月に同プロ科を修了。