バイマン-小林 佳奈 さん
翻訳という仕事に誠実でありたい
「英日実務翻訳講座」を受講した最大の理由は、「翻訳という仕事に誠実でありたい」ということでした。2009年からドイツに住み、知り合いの紹介で登録した翻訳会社からウェブサイトのコンテンツを英日翻訳する依頼を受けていましたが、英日翻訳の訓練を受けた経験がなく、「私は翻訳料ドロボウ?」と自分の仕事に疑問を感じていました。過去に翻訳者養成コースで日英翻訳を2年間勉強し、「言葉面ではなく、意味を訳す」という心得を教わったものの、日→英と英→日では実際の翻訳テクニックが異なります。通学できない環境で、そうしたテクニックをどのように習得し、数多ある学習書やオンライン講座の中からどれを「よりどころ」とすべきか、悩んでいました。そんな時、成瀬由紀雄先生による「英日実務翻訳講座」の開講を知り、受講を即決しました。
本講座では、日本語の特性に始まり様々な翻訳テクニックを学びましたが、それにも増して重要なのが専門知識であることを痛感させられました。また、「何度も読み返す必要がある翻訳は、それだけで誤訳である」という成瀬先生のご指摘に、翻訳という仕事に対する自分の甘さにも気づかされました。ですが、「100%をめざすというより、一歩上をめざして、60%のものを65%にする」努力の大切さも教えてくださり、本講座を繰り返し何度も拝聴しました。
受講後の修了課題の結果、リンクトランス・サイマルに登録することができ、工事請負契約書、米国の食品安全監査、企業の与信管理に関する文書を英日翻訳いたしました。締切りに追われると、つい基本を忘れそうになりますが、「原文に引きずられず、書き手の真意を自然な日本語で表現する」、「文章のつながりを意識して、必要に応じて日本語を補う」よう心がけています。訳者に求められる技能と知識の多さに圧倒されて尻込みしている場合ではありません。ぐっと踏みとどまって根気強く一歩上をめざす努力を繰り返していきたいと思います。
翻訳者登録後の担当案件
社内向け発表文、社外向けサービス紹介カタログ、業界動向レポートなど、幅広い分野・業界で英日翻訳を担当。