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海外経験がなくても通訳者・翻訳者になれる?
外国語を使う専門職のなかでも人気の高い「通訳」と「翻訳」。いずれも高度な英語スキルを必要とする仕事で、プロとして活躍している人のなかには、留学など海外生活の経験がある人も多くいます。では、通訳者や翻訳者になるためには、海外経験はマストなのでしょうか。
答えは必ずしもそうとは限らないようです。その理由を詳しく見てみましょう。
通訳者・翻訳者になるには帰国子女・留学生が有利?
帰国子女や留学生は、人よりも早く英語の勉強を始めていて、発音がよかったり、流暢に英語が喋れるという点では有利かもしれません。とはいえ、英語力だけではプロ通訳者・翻訳者として活躍することはできません。
実際には1〜2年の留学期間では、日常レベルの英語は習得できても、ビジネスレベルの英語が習得できていないケースが多く、また海外経験の長い帰国子女のなかには、英語が流暢に話せても逆に日本語がたどたどしいというケースも珍しくありません。
通訳と翻訳の仕事においては、英語と日本語の能力がバランスよく備わっていることが重要なため、帰国子女や留学生という肩書きが必ずしも有利になるとは限らないというわけです。
海外経験がなくても通訳者、翻訳者になれるの?
では、海外経験がなくても通訳者や翻訳者になることは可能なのでしょうか。答えはイエスです。通訳者・翻訳者に求められる「話・文章の内容を理解する力」、「日本語(母語)の活用能力」、「専門知識」などのスキルは日々の努力で身につけられる部分が多く、海外経験の有無には関係ありません。
海外経験がない場合、他の国の文化がわからないなどのハンデはあるかもしれませんが、インターネットや最新の海外ニュースなどで補って勉強している人も多くいます。また、通訳者・翻訳者養成スクールに通い、一から勉強しスキルを身につけプロになる人もいることから、本人の頑張り次第ではいくらでもプロになることは可能なのです。
通訳者になった事例
実際に海外経験がなくて通訳者として活躍している人は、何をきっかけにその仕事をめざしたのでしょうか、現在の活躍と併せてご紹介していきます。
海外経験なしで通訳者になったUさん
会議通訳者として活躍しているUさんが通訳者をめざすきっかけとなったのは、証券会社の会社員だった頃、英語を使える仕事に転職しようと考えてサイマル・アカデミーに入学したことでした。
大学時代は英文学科に在籍していたUさんでしたが、留学などの海外生活の経験もなかったために、初級レベルからのスタートとなりました。これまで通っていた英会話学校とは勉強法も違ったため、戸惑うこともありましたが、徐々に自分の考えを自分で表現することが楽しくなっていったそうです。 そして着実にステップアップし、通訳者養成コースへ。
「自分の欠点を探すのではなく、長所を伸ばしていこう」と前向きに考えて努力を続けた結果、会議通訳者になることができました。
「こつこつ勉強すれば、会議通訳者レベルの語学力は身につけられます。私自身、帰国子女でもなければ留学経験もありませんでしたが、今はこうして会議通訳を職業にしています。」とUさん。通訳者になった今でも日々トレーニングを続けているそうです。
海外経験がなくても、努力次第で通訳者や翻訳者になることは可能です。プロをめざすのであれば、しっかりと勉強をしていきましょう。