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様々な会議で活躍する「会議通訳者」とは
会議通訳者は、企業内外でのビジネスの現場をはじめ、国際会議やシンポジウム、サミット、政府間協議などあらゆる場面で活躍しています。
ここでは、会議通訳者が必要とされる場面やその仕事についてご紹介します。
会議通訳者が必要になるシーン
一言に会議通訳者といっても、活躍するシーンは多岐にわたります。例えばビジネス現場では、社内に外国人役員やスタッフがいれば社内会議に、海外との取引がある企業であれば商談に通訳が必要になりますが、ほかにも以下のようなシーンが挙げられます。
視察同行
ビジネスを目的として来日した外国人に同行して、企業訪問や工場見学の通訳をします。視察の場合は数名から十数名規模で訪問することもあり、簡易通訳機材を使用して通訳をすることもあります。逆に、日本から海外の取引先などへの訪問や現地視察に行く際に同行して通訳をする場合もあります。
講演会やセミナー
外国人講師を招待して講演会を行う場合に、日本人の聴衆に向けて通訳をしたり、パネルディスカッションなどで日本人講師と外国人講師がいる場合に、講師の発言を通訳したりします。小規模なセミナーなどでは主に逐次通訳で行い、大規模な講演会では同時通訳で行うこともあります。
株主総会やIR
外国人投資家が事業会社を訪問する際、企業のIR担当者と投資家の間で通訳をします。上場企業の四半期開示の義務化や外国人株主の増加に伴い、IR通訳は需要の高い通訳業務になっています。財務諸表の基本的な知識のほか、上場企業すべてが訪問対象になるため、様々な業種についての知識を深める必要があります。また、最近の株主総会では、海外向けに通訳付きで動画配信されることも多くなっています。
国際会議
国際会議とは、2カ国以上の国の人たちが集まり会議をすることで、民間企業や大学でのシンポジウム、政府間会議、サミットなどその種類は様々です。規模の大きい会議となると、同時通訳などのハイレベルな通訳スキルに加え、専門知識や参加各国の状況についてもアンテナを張っておく必要があります。
学会
各種学会での発表などの場で通訳を行います。学会は医学、薬学、自然科学、人文科学、理学、工学、政治、経済など、その分野は多岐にわたり、内容も専門的であるため、非常に高度な専門知識を求められます。
会議通訳者の仕事のやりがい
会議通訳者は、クライアント間のコミュニケーションのお手伝いをする仕事です。ビジネスの場において双方の意見が通じてミーティングがスムーズに進んだり、商談がまとまったりしたときにやりがいを感じている人も多いようです。また、通訳の仕事は「いま世の中で起こっていること」がトピックになることも多く、その分野の最新情報や最先端の話題に触れられることも、この仕事の魅力かもしれません。
その一方で、会議通訳は前日や当日に突然依頼されるなど、事前情報の把握が十分にできない状況でも、自分の腕だけで勝負しなければならない場面があります。厳しい修羅場をくぐることも多い反面、会議を成功させたときの喜びも大きく、そこにやりがいを感じている人も多いでしょう。
また、通訳者は一般的な企業の仕事に比べると高収入が期待できるといわれています。やる気次第で多くの仕事をこなすこともできるため、頑張った分だけ報酬として返ってくる面も、会議通訳者のやりがいのひとつだといえるかもしれません。
会議通訳者に必要なスキル
会議通訳をする方法は、会議を中断することなくリアルタイムで通訳を行う「同時通訳」と、会話を短く区切りながら行い、区切った会話をまとまりごとに通訳していく「逐次通訳」に分かれます。一般的に、時間が限られている国際会議や、話を中断できない大人数の会議の際には同時通訳が使われ、より正確さが必要な専門色の強い商談や、少人数の会議では逐次通訳が使われることが多いです。
同時通訳の場合は、相手の言葉を聞きながら瞬時に通訳をするため、高いスキルと集中力が必要となります。通訳している間も会話は続くため、常に相手の会話を理解しておかなければなりません。
また、通訳業務ごとに内容が異なるため、様々な分野・業界の知識が求められます。もちろん会議の場にふさわしいマナーや一般常識、場の空気を読むスキルも必要です。緊張やプレッシャーが常に付きまとう仕事でもあるため、ストレスに負けない精神力も必要といえます。
このように会議通訳者は活躍できるシーンが多くあり、大きなやりがいもある仕事だということが分かります。語学を活かした仕事をしたいという人は、会議通訳者の道をめざしてみてはいかがでしょうか。