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フリーランスだけではない「通訳者の働き方」
通訳者は言葉のエキスパート「専門職」ですが、その働き方は1つではありません。ではどのような働き方があるのでしょうか。
通訳者の働き方の種類とその違い(メリット)についてご説明します。
働き方の種類とその違い
通訳者として働く場合には、主に「社員」「フリーランス」の二つに分かれます。
社員の場合は、企業や団体に正社員・契約社員あるいは派遣といった形で就業する形となり、一般の会社員と同様に月曜日から金曜日までの業務がほとんどです。
もう一つはフリーランスとしての働き方です。 フリーランスは会社員とは異なり、月曜日から金曜日と決まった勤務ではなく、仕事が入れば働く、ということになります。終日の仕事もあれば半日だけ仕事が入る日もあり、繁閑差もあります。
社員とフリーランスそれぞれのメリット
社員とフリーランス、それぞれどんなメリットがあるか見てみましょう。

収入の安定
収入面では社員として働くほうが安定します。社員であれば基本的に固定給となりますので、繁閑による収入減などはありません。
いっぽうでフリーランスの場合、今までの経験(実績)や専門知識の有無により仕事が増減することもあります。また8月や年末年始のような長期休暇が入る月は収入が減少する傾向にあります。
ただ、フリーランスは実績やキャリアを積むことで単価(1日あたりあるいは半日あたりの料金)が上がっていくことがほとんどですので、「収入を上げる」という点では個人差はありますがフリーランスにメリットが大きくなります。
休みの調整
フリーランスのメリットは休みが調整しやすいという点があります。予定や長期の休みを入れたい場合には、その期間はあえて仕事を入れない、ということもできます。フリーランスで仕事をされている方の中には、閑散期の8月は1か月毎年長期休暇を取る方もいます。オン、オフをしっかりつけて仕事の多い月には可能な限り働き、閑散期にたっぷりと休養を取ることもできる働き方です。
社員の場合は、有給の範囲内でお休みを取ることになるので自由度は低いといってよいでしょう。
知識の習得
知識の習得は社員として働くほうが、勤め先の業界知識を集中して習得することができる点でメリットが高いといえます。また、先輩社員などから多くの情報を得ることも可能です。
フリーランスは全て自分の力で情報収集を行います。会議前には当日使用する資料や参考資料を配布されることが多いですが、フリーランスの場合は毎日異なる業界、異なる内容の通訳をすることがほとんどですので、どこか一つの業界の専門知識を習得するためには相当の努力が必要になります。
スキルアップ
スキルアップは社員・フリーランスそれぞれにメリットがあります。
社員であれば、例えば同時通訳をやったことがなくても、経験に応じてチャレンジさせてもらえる可能性があり、それがスキルアップに繋がることもあります。
フリーランスは仕事によって一緒に入る通訳者が異なるので、大先輩と一緒に仕事ができるチャンスもあり、先輩から通訳スキルや表現力を学ぶことができます。
スキルアップはどちらにメリットがある、ないというよりも自分でどれだけ努力をしてスキルを磨き上げていくことができるか、取り組む姿勢によって左右されるでしょう。
定年後の働き方
基本的に社員であれば60歳が定年となり、定年後は収入面や仕事内容も変化することが多いですが、フリーランスには定年がないため、長く働きたい方には向いているかもしれません。60歳以上でプロの通訳者として働いている方はとても多いのが現状です。
このようにそれぞれにメリットはありますが、最初は社内通訳者として経験を積み、その後キャリアチェンジでフリーランスになる方がほとんどです。通訳実績がない場合は、通訳エージェントが母体の通訳スクールでのキャリアサポートにて、学びながら実績を積むことも可能です。どちらの道へ進むかは、ご自身のキャリア志向や働く上で何を重視するかで最終的に決めるとよいでしょう。
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社内通訳者の仕事について
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