SIMUL CAFE
在宅勤務も可能!翻訳者の1日
翻訳者は高い語学力とそれまでのビジネス経験を活かせる仕事として、幅広い層から人気の職業です。しかし実際は、コツコツ地道な作業を行う仕事がほとんどだという側面もあります。
今回は、フリーランスとして活躍している産業翻訳者の仕事がどのようなものなのか、その1日を紹介していきます。
フリーランス翻訳者の1日の流れ
フリーランス翻訳者の多くが在宅勤務で仕事を行なっていますが、1日の流れはどのようなものでしょうか。産業翻訳歴7年目になる、あるフリーランス翻訳者の具体的なスケジュールを見てみましょう。
5:00~7:00
起床、レギュラー案件を朝イチで翻訳
朝起きたら、まずはメールをチェックし、海外から毎日受注している案件を1時間半で仕上げます。海外と仕事をしている場合には、時差の関係で夜中に重要なメールが届いていることも多くなります。
9:00~12:00
新規の翻訳案件、英文議事録の和訳
家族の朝食と娘のお弁当を作り、朝ごはんを食べたら仕事再開です。この日は、新たに取りかかる議事録の英日翻訳。不完全な発言も多いため、言葉足らずのところは文脈から推測して訳していきます。
12:00~13:30
休憩
在宅で仕事をしている場合も、しっかり休憩時間を設けてオンとオフのメリハリをつけることは大切。ときには、ジムで汗を流してリフレッシュ。仕事の効率を上げるためにも休憩は必ずとるようにします。
13:30~17:00
専門用語のリサーチと訳文のブラッシュアップ
昼食をとったら仕事再開。今回の案件は専門用語も多いため、疑問がある部分は納得できるまでリサーチ。納品できるレベルになるまで、文書の精度を高めていきます。また、抱えている仕事の量によっては、1日に複数の案件を翻訳することも。
担当案件例:
- 社内会議の議事録
- 販促資料
- プレスリリースの和訳
- 国際会議の報告書 など
複数の案件を抱えている場合には、納期を確認しながら優先順位を調整していきます。
17:30~
夕食の支度をしながら合間に翻訳
夕方以降は夕食の支度をして、その合間に仕事をします。最後にメールをチェックして、急ぎの連絡がないかを確認。基本的に、家族が帰ってきたら仕事を終わらせるようにしています。
社内翻訳者とフリーランス翻訳者の違い
同じ翻訳の仕事でも、企業に所属する社内翻訳者かフリーランスかによって、働き方は大きく異なります。具体的にどのような違いがあるのか見てみましょう。
必要な知識
社内翻訳者は、勤務している会社に関連する資料の翻訳がほとんどなので、必要な知識もその業界に特化したものが中心です。
一方、フリーランスの場合は、登録しているエージェントからその都度仕事の依頼を受けて翻訳業務を行うため、案件ごとに対応する業界が異なる場合も多く、幅広い業界の専門知識とリサーチ力が求められます。同じお客様からコンスタントに依頼いただくことが増えると、業界の知識も深まっていきます
仕事の内容
社内翻訳者は、「翻訳者ポジション」として採用されている場合には翻訳をメインにした業務が大半を占めますが、場合によっては通訳も任されたり、翻訳以外の業務が発生したりすることもあります。
その点フリーランスの場合は、翻訳またはチェッカーとして校閲のみを請け負うため、それ以外の業務を任されるということは基本的にありません。
勤務時間
社内翻訳者の場合は、勤務している会社の就業時間に合わせるのが一般的ですが、フリーランスの場合は主に在宅での仕事ですので、勤務時間は自分自身の裁量によるところが大きくなります。海外から依頼が来る場合は、時差を踏まえて早朝や深夜に対応することもあります。
フリーランス翻訳者と社内翻訳者とでは、拘束時間や1日の流れが大きく異なります。上記を参考にして、どちらが自分に向いているのかを検討してみてください。