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通訳の実力を証明できるビジネス通訳検定(TOBIS)とは
通訳者として企業や団体から仕事を得るためには、自分自身の通訳スキルを証明したりアピールしたりする必要が出てきます。その方法のひとつとして、通訳スキルや英語の資格を取得することが挙げられます。
例えば、「ビジネス通訳検定(TOBIS)」、「TOEIC®」、「実用英語技能検定試験(英検)」など様々な資格がありますが、ここでは、ビジネス通訳のスキルを評価する「ビジネス通訳検定(TOBIS)」について、詳しく解説していきます。
ビジネス通訳検定(TOBIS)の概要
「ビジネス通訳検定」とは、“Test of Business Interpreting Skills” の略でTOBISとも呼ばれ、NPO法人通訳技術向上センター(CAIS)が実施している、通訳者が企業内で活躍するために必要な「ビジネス通訳のスキル」を客観的に評価する試験です。
年に2回実施されており、企業や各種団体などで通訳を行うビジネス通訳者のための試験だといえます。ビジネス知識と通訳スキルを判定するため、企業や人材派遣会社が業務を依頼する際の判断材料になるとともに、就業者は自身のレベルに合った仕事に就業することができるようになり、双方にとって適切な判断基準となる試験として活用されています。
試験内容・受験資格
TOBISの試験には、「逐次通訳」と「同時通訳」の2種類があります。ビジネスシーンを想定したテーマで、問題を聞いてその場で通訳し録音する形式です。それぞれの試験の内容は下記の通りです。
逐次通訳試験
ビジネスの現場を想定した逐次通訳の技術を評価するための試験で、2〜4級で結果を判定します。試験は逐次通訳(日英、英日両方)の録音形式で、会話/短文/スピーチのパートに分かれ、約60分行われます。逐次通訳スキルおよび、英語の語彙力、ビジネス知識が問われます。
対象:企業で通訳業務の経験がある人
同時通訳試験
ビジネスの現場を想定した同時通訳の技術を評価するための1級判定試験です。スピーチの同時通訳(日英、英日両方)を録音する形式で、約30分行われます。同時通訳スキルおよび、英語の語彙力、ビジネス知識が問われます。
対象:過去2年以内のTOBIS試験で2級を取得した人
TOBISのレベル判定
レベルの判定は1〜4級の認定級で、1級が一番上のレベルです。通訳業務においてどのようなレベルの対応ができるのかが判定されます。
1級 | 逐次通訳の技術が十分で、ウィスパー/同時通訳にも対応できる。 ビジネス通訳者として信頼されるレベル。 |
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2級 | 逐次通訳の基礎が身についている。 ある程度のまとまった長さも精度を保ち対応できる、ビジネス通訳者として適切なレベル。 |
3級 | 初級ビジネス通訳者。慣れている会議であれば、ポイントをおさえた逐次通訳が可能なレベル。 |
4級 | ボランティア通訳や会議などで会話のサポートができるレベル。 |
不合格 | 母語ではない言語の知識や理解不足などにより、認定基準に達しないレベル。 |
受験後には、レベル判定とともに個別のフィードバックがもらえます。逐次通訳、同時通訳それぞれのスキルを評価し、判定者からのコメントももらえるため、弱点や課題を把握でき、自身のレベルを認識して今後のスキルアップにも役立ちます。また、4級以上を取得すると認定証をもらうことができます。
通訳者としてのスキルを客観的に証明できる資格があれば、通訳の仕事を得るのがよりスムーズになるでしょう。また、資格取得に向けた勉強は、自身のスキルアップにも繋がるはずです。通訳者としての経験を積み、実力を高めていくためにも、ビジネス通訳検定(TOBIS)を受験してみてはいかがでしょうか。
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