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現場へ出向いて活躍する!通訳者の1日
高い語学スキルを活かしてグローバルに活躍できる「通訳者」は、語学を勉強している人にとっては憧れの存在です。とはいえ、実際に仕事をしている舞台裏を目にする機会は少ないため、詳しい内容を知らない人は多いのではないでしょうか?
そこで今回は、通訳者の仕事がどのようなものなのか、1日の流れを追ってご紹介します。
フリーランス通訳者の1日の流れ
フリーランスの通訳者はどのようにして仕事をしているのでしょうか。フリーランス3年目になる、ある通訳者の1日のスケジュールを具体的に見てみましょう。
6:00 起床、事前準備
朝起きたら、朝食を取りつつ身支度を整えます。通訳者はあくまでも裏方ですので、訪問先や業務の内容に相応しい服装を心掛けることも大切。この日は社内会議や企業訪問の案件なので、スーツスタイルで仕事に向かいます。身支度を済ませたら、本日の仕事で使う資料を確認します。
この日は午前中に1件、午後に1件の通訳案件が入っているので、資料や単語リストもそれぞれ準備が必要です。
7:30 現場近くのカフェで事前準備をしながら待機
事故などで電車が遅れたり、道が渋滞したりといった事態に備え、早めに会場近辺に到着するようにします。午前中は外資系メーカーでの通訳。事前に準備した単語リストを見返したり、会議の内容を確認したりします。
8:30 現場到着
会議の30分前には、現場へ到着するようにします。担当者に挨拶して簡単な事前打合せをします。
9:00〜11:00 外資系メーカー社内ミーティングでの通訳
この日は営業会議の通訳で、各エリアの売上状況や販売施策の共有がメインテーマ。社内用語はもちろん、売上や営業利益など数字が飛び交う会議なので、しっかりメモを取りながら通訳に臨みます。
11:30〜13:00 昼食後、次の現場へ向かう
午前中の仕事が終わったら、昼食を済ませ次の現場へ向かいます。食事時間や移動時間を使って、次の案件の資料などをチェックします。
13:30〜17:00 外国人記者の取材通訳・アテンドで数社回る
午後は、日本の消費に関する諸問題をテーマとした取材の同行。官庁訪問や、企業数社の視察アテンドをこなします。
17:00〜 取材通訳終了、帰宅
今日の取材通訳が終了したら、帰路につきます。
20:00〜 夕食後、翌日の仕事の準備
帰宅して食事を済ませたら、翌日の仕事の準備をします。インターネットでの検索はもちろん、必要な場合には専門書を買って情報収集することも。専門用語をはじめ、業界特有の表現、社内用語など、案件内容に応じて関連する単語を調べ、事前の準備を怠らないことが重要です。
社内通訳者とフリーランス通訳者の違い
企業に所属する社内通訳者とフリーランス通訳者とでは、働き方にどのような違いがあるのでしょうか。
必要な知識
社内通訳者が担当する案件は、勤務している会社に関連するものが中心で、必要な知識もその企業に関連するものや、その業界の専門用語などに特化していることが多いようです。
一方、フリーランスの場合は、案件ごとに対応する企業が異なる場合が多く、様々な業界の知識を広く持ち合わせている必要があります。
仕事のスケジュール
社内通訳者の仕事場は主に企業内、もしくはその会社の人に同行して通訳業務を行うのが一般的で、決められた場所で仕事を行うことが多いです。
一方、フリーランスの通訳者は、案件が異なればその会場も異なるため、社内通訳者と比べると移動が多くなります。
また、社内通訳者は勤務している企業の就業時間に合わせて仕事を行うのが一般的ですが、フリーランスの場合は抱えている案件数によって拘束時間も異なり、お客様のスケジュールに合わせることが多いため、業務が早朝や深夜にまで及ぶなど、拘束時間が長くなることもあります。
フリーランスになるか、社内通訳者になるかによって同じ通訳の仕事でも1日の流れが大きく異なります。それぞれの特徴をしっかり理解した上で、どちらが自分に向いているのかを検討してみてください。
動画で見る!通訳者の生活