修了生メッセージ
梅佳代さん
会議通訳者
未体験の学習カリキュラムによって、英語の思考法が身についた
会議通訳者になるには高度な語学力が必要ですが、海外経験が必須かというとそうではありません。こつこつ勉強すれば、会議通訳者レベルの語学力は身につけられます。私自身、帰国子女でもなければ留学経験もありませんでしたが、今はこうして会議通訳を職業にしています。
証券会社の会社員だった時、英語を使える仕事に転職するため、サイマル・アカデミーに入学したのが、英語を本格的に勉強する始まりでした。サイマル・アカデミーを選んだのは、以前に通学していた英会話学校のクラスメートだった年配の男性が「英語のプロをめざすなら、トップの学校に行きなさい」とサイマル・アカデミーを勧めてくださり、その方の言葉が強く心に残ったからです。
実践英語コース*では、レベル3(初中級)からスタート。勉強を始めて驚いたのは、「英語ではこう表現する」という言葉の置き換えを覚える授業ではなかったことです。「話す・聞く・読む・書く」という4技能のどれを学ぶにしろ、講師からはつねに「あなたはどう思うのか」と質問され、自分の意見を持つことを求められました。そのうえで、自分の考えを表明するのに必要なさまざまな語彙、英語の思考法、論の展開の仕方を学んでいきました。勉強法の違いに最初は戸惑いましたが、慣れてからは、自分の意見を自分なりの表現で発表することがとても楽しかったですね。間違っても先生が直してくれると開き直り、積極的に発言していました。
通訳者養成コースへ進み、 念願だった会議通訳者に
実践英語コース*修了後は、通訳者養成コースへ進みました。どんなに勉強しても成果が上がらず、落ち込んだ時期もありましたが、「気持ちの切り替えが大切」という先生の助言によって、「自分の欠点を探すのではなく、長所を伸ばしていこう」と前向きに考えられるようになりました。会議通訳者になれたのも、自分を信じて努力を続けた結果だと思います。通訳者としての私の武器は、話の内容を的確につかむ「理解力」ですが、これもサイマルの授業を通して培ったものです。
もちろん、通訳だけが英語力を活かせる仕事ではありません。異文化コミュニケーションのコンサルタントがそうですし、一般企業でも外国人社員がいる職場であれば、英語によるコミュニケーションが必要です。その点サイマルでは、実践的な語学力から最高レベルの通訳スキルまでを学ぶことができます。それを自分の目で確かめてから進むべき道を決めても、決して遅くはないと思いますね。
*現在は開講しておりません。
**現在「会議通訳コース」に名称変更
上達のポイント
生きた単語の使い方や語感を覚えるには、海外の映画やドラマを見るのがおすすめ。文脈の中で憶えるので、しっかりと記憶に定着します。何より楽しいので、私はスランプ克服法としても活用していました。通訳者をめざす方は“批判的リスニング”にも挑戦してみてください。ただ耳を傾けるのではなく、「それは違うのでは?」と反論しながら聞くのです。そうすると、話の骨格が見てくる(聞こえてくる)ようになります。話の要点をつかむ訓練になり、同時にリテンション強化にもつながるので、とても効果的です。
梅さんの便利グッズ
① iPod
アメリカのいくつかの大学では、講義の模様をポッドキャストで公開しており、それをダウンロードして聴いている。セミナーやシンポジウムを多く通訳する梅さんにとっては、講義という形式が最適のトレーニング素材になる。
② 電子辞書
主に使用するのは例文検索と英英辞書。英英は語感を掴むのに役立つ。「実践英語コース*時代には、使いこなせないと手を出さなかった。言葉のニュアンスを掴むのに非常に有効なので、当時から使っていればよかったと今にして思いますね」
③ ノートパソコン
インターネットに接続できる環境にしておき、自分が使おうとする英語の表現をグーグルで検索。用例のヒット数から、使えるかどうかを判断している。
*現在は開講しておりません。
梅佳代さん
会議通訳者
英文学部卒業後、証券会社に入社。在職中に実践英語コースレベル3(初中級)からスタート。通訳者養成コースへ進み、同時通訳科を修了。サイマル・インターナショナルの専属会議通訳者に。現在はフリーランスで、金融・経済分野の通訳を中心に活躍中。